1 体に負担の少ない腹腔鏡手術から高難易度手術まで、バリエーションの豊富な最適な治療を心がけています。

肝臓手術は、バリエーションが豊富なため、肝機能、切除部位により、腹腔鏡手術から高難易度手術まで、最適な治療を選択します。

 

2 内科との綿密な連携により、バランスの良い治療を選択します。

肝臓手術は、消化器・肝臓内科との連携が非常に重要となりますが、当院では綿密かつ良好な連携によりバランスの良い治療を選択します。患者さんの不安が多い手術となることが多いため、親身で丁寧な説明、治療を心がけています。

3 なるべく早期の手術を心がけています。

手術までには諸検査が必要ですが、初診から3週間以内の手術が一般的です。

4 他疾患を合併している場合でも安全な手術の提供を心がけています。

当院は大学病院であるため、各領域の専門医が揃っています。様々な合併症(病気)に対しても、各専門医と密な連携のもとで安全に手術を行います。

基本方針

手術が必要な肝腫瘍には、肝細胞癌、転移性肝癌、胆管癌などがあります。肝臓は、“物言わぬ臓器”とも言われるほど、痛みなどの自覚症状が出にくい臓器です。腫瘍の種類、状態により、肝機能障害、黄疸、腹水、易疲労感、上腹部圧迫感などが出現することがあります。

肝腫瘍の症状について

肝腫瘍には、大きく分けて以下のように良性腫瘍と悪性腫瘍があります。

良性腫瘍:肝血管腫、肝嚢胞など

悪性腫瘍:転移性肝癌、肝細胞癌、胆管癌(肝内胆管癌、肝門部領域胆管癌)など

良性腫瘍の手術適応は、有症状(痛み、圧迫感など)、増大傾向などに限られますが、悪性腫瘍の場合は、以下のような方法があります。(図1)

   外科的切除術 開腹手術

          腹腔鏡手術

   内科的局所治療(ラジオ波焼灼術、エタノール注入療法、マイクロ波焼灼術)

   肝動脈塞栓化学療法

   肝動注療法

   全身化学療法

   肝移植術

通常のがんは、進行度によって治療法が決定されますが、肝の悪性腫瘍の場合は、その他に肝機能によっても治療法が制限されるため、より複雑な治療選択が必要とされます。当科では、肝臓内科、放射線科との綿密な連携により、最適な治療を選択します。

 外科的治療 

肝臓は非常に再生能力の高い臓器であるため、一般的に正常肝であれば、60~70%の切除が可能です。すなわち、肝臓が30%~40%残っていれば肝機能としては十分です。肝切除後、約1か月でもとの肝臓の80%程度の容積まで再生すると言われておりますが、肝機能障害がある場合には、肝細胞の機能・再生能力低下があること、肝臓には大きく分けて8つの亜区域が存在することなどから切除の方法も複雑となります。(図2)肝切除のアプローチ方法には、大きく分けて以下の様な2種類があります。

  1. 開腹肝切除術:お腹を大きく開けて行う慣習的な手術法です。

  2. 腹腔鏡下肝切除術:お腹にポートと言われる筒を挿入し、その中に長い鉗子を挿入して行う比較的新しい手術法ですが、器具の発達により安全に施行できる体に優しい術式と言えます。

当科では、積極的に低侵襲である腹腔鏡下肝切除術を行っています(前症例の40%以上)。

それぞれの利点は、

  1. 開腹肝切除術:複雑な手術も可能、出血などへの対処が行いやすい、肝切除時間が短いなど。

  2. 腹腔鏡下肝切除術:傷が小さく整容性に優れる、出血量が少ない、合併症が少ない、術後疼痛が少なく社会復帰も早い、退院までの日数が少ないなど。

胆管空腸吻合を伴うような複雑な術式は、開腹肝切除術の保険適応しかありませんが、その他ほとんどの術式が腹腔鏡下肝切除術で施行可能です。腹腔鏡下肝切除術で高難易度肝切除術を施行するためには、施設認定が必要ですが、当院はその認定施設となっています。

また、手術を担当する医師は、日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医、日本内視鏡外科学会の技術認定医(肝)であり、さらに当院は、日本肝胆膵外科学会のB認定施設にも認定されております。当科では、肝腫瘍と患者さんの状態を考慮し、根治性を損なう事が無いバランスの取れた術式を選択します。

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<動画>腹腔鏡下肝切除術(肝左葉切除術(S2/3))

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【開腹肝切除術の傷】

【腹腔鏡下肝切除術の傷】

治療について

肝臓がん

 川野 陽一 助教

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