大腸がん

1 体に負担の少ない(低侵襲)手術を心がけています

2013年度の当科で行った初発大腸癌手術126例のうち,107例(84.9%)

が腹腔鏡手術です。

 

2 なるべく早期の手術を心がけています

手術までの待ち時間は,初診から通常3週間以内です。

 

3 治療の主体は手術でが、必要に応じて、化学療法、放射療法を行うことがあります

肛門温存が問題となる下部直腸癌症例に対しては術前の化学(+放射線)療法を組み合わせることで肛門温存率の向上を目指しています。また,自律神経温存による術後排尿・性機能障害の予防に努めています。

 

4 他疾患を合併している患者様にも安全な手術の提供を心がけています。

当院は癌専門病院とは違い,大学病院であるためあらゆる疾患の専門医が揃っています。様々な病気をもった患者様に対しても,各専門医と密な連携を取り安全に手術を行っています。

基本方針

講師 松本智司

大腸がんについて

大腸がんは近年急激に増加しているがんであり,自覚症状としては、血便,便通異常(便秘や下痢を繰り返す),貧血などがあります。検診では、便に混じった目に見えないような微量の血液を検出する便潜血検査が早期発見のために広く行われています。

治療について

大腸がんの治療法には、内視鏡的切除,外科的手術,化学療法,放射線治療などがあり、がんの進行度によって最適な治療法を提供しています。大腸がんは他のがんに比べて治療成績の良好ながんであり,全体の7割は治るといわれています。ただし、早期発見,早期治療が重要であることは言うまでもありません。

 

 手術について ~腹腔鏡手術 

大腸がんの手術は,従来20~30cmの傷で「開腹手術」(図1)が行われてきましたが,最近は,お臍に約4cmと他に5mm程度の傷4つで行う「腹腔鏡手術」(図2)が主体となっています。腹腔鏡手術の利点は,傷が小さいこと,痛みが軽いこと,回復がはやいことなどで入院期間の短縮につながります。これが「低侵襲手術」と言われる所以です。当科で2013年度に行った初発大腸がん手術126例のうち,107例(84.9%)が腹腔鏡手術です。しかし,お腹の中に高度の癒着があるような場合は最初から開腹手術で行うこともあります。また,場合によっては,ひとつの傷で手術を行う「単孔式腹腔鏡手術」(図3)も行っています。

腹腔鏡手術では専用の高性能カメラで拡大した画像を見ながら行うため、細かい血管・神経までよく見え繊細な手術操作が可能です。このため出血量が少なく,排尿・性機能に関係する自律神経を温存することが可能となります。腹腔鏡手術を受けられる場合は通常,手術1~2日前に入院し,術後10日前後で退院して頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 手術について ~人工肛門を造らない手術(肛門温存手術) 

大腸がんは結腸がんと直腸がんの2つに分けられます。直腸は狭い骨盤内にあるため,男性では膀胱や前立腺などの泌尿器,また女性では子宮や膣などの女性器臓器に隣接しています。そのため、直腸がん手術は難易度の高い手術とされ,肛門に近い下部直腸がん手術では,がんの位置や大きさなどにより人工肛門を造る必要性が出てきます。しかし,当科では内肛門括約筋切除を伴う直腸切除(ISR)という手術法を取り入れて肛門を温存する手術ができるよう努力しています。この際,放射線治療や抗がん剤治療を手術の前に行ってあらかじめがんを小さくしておく場合もあります。これを術前化学療法あるいは術前化学放射線療法と呼んでいます。一方、早期の直腸がんに対しては,肛門から内視鏡を挿入してがん病巣を摘出する負担の少ない経肛門的内視鏡手術(TEM)も積極的に行っています。

 

 

初発大腸がん手術症例数

(図1)開腹手術の傷

(図2)腹腔鏡手術の傷

(図3)単孔式腹腔鏡手術の傷

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